ウガンダってどんな国?

ウガンダ 前提知識

正式国名

ウガンダ共和国 Republic of Uganda

場所

東アフリカ。国境の東側にはケニア、西側にはコンゴ民主共和国、南側にはタンザニア、ルワンダ、北側にはスーダンに接している。国の中に赤道が通り、また経度が日本と100度程度異なるため時差は6時間だ。

面積

24,1万平方キロメートルだが、ビクトリア湖、エドワード湖、アルバート湖に囲まれており、陸地面積は19,7万平方キロメートルだ。

首都

カンパラ

人口

4286万人(2017世界銀行)

民族

バガンダ族、ランゴ族、アチョリ族など。

言語

公用語では、英語、スワヒリ語、ガンダ語と定められている。ブガンダ族を多くが占めるためガンダ語が多く用いられている。実生活の中では皆基本的にガンダ語だ。しかし、学校では他民族に対応するために授業やテストは基本的に英語で行われている。学校に通っている子供達の多くは、英語が話すことができる印象がある。しかし、大人は英語を話すことができる人がそんなに多くないという印象を受けた。

宗教

キリスト教(60%)、伝統宗教(30%)、イスラム教(10%)

キリスト教(カトリック)は、イギリスの植民地化の際に並行して布教が進んだ。

気候

赤道直下に位置しているが国の高度が平均して1200mであるため、年平均気温は23度である。3〜5月、10〜12月は雨季がある。8月、9月に生活をしてみて肌寒い朝、夜が半分くらいあった。

ワクチン

入国する際にイエローカードが求められるため黄熱のワクチンは必須だ。また、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病は推奨されている。黄熱ワクチン接種の確認の仕方は、検査官が外国人っぽい人を抽出して呼んで見せろって言ってくる。確認方法は結構雑だ。

国土の特徴

 国全体の面積は24万1039㎢でこれは本州と同じくらいだ。ウガンダにはビクトリア湖、アルバート湖、エドワード湖、キョーガ湖など多くの湖がある。これは、4万3900㎢で全体の18%も占める。国の国土の大半は海抜900〜1500mの高原地帯となっている。雨季は地域によってバラつくが南部では3〜5月、11〜12月に雨季がある。 

 ビクトリア湖は、アフリカ最大の湖で世界第3位の大きさである。近年ナイルパーチが放流され在来種が絶滅している。ナイルパーチは、日本やヨーロッパに多く輸出されている。ナイルパーチの日本での食べ方としては白身魚フライだ。レストランや給食などで知らないうちに食べていたかもしれない。

 ウガンダの合計特殊出生率は6、7で人口増加率は世界的に見ても極めて高い。人口増加は主に農村部で生じている。確かに農村部で生活をしていたとき、周りの家は少なくとも5、6人の子供はいた。また、教会に行くと半分以上を子供が占め日本では見ることのできない光景だった。「人口増加のデメリットとして、森林破壊が挙げられる。一般家庭では調理燃料として薪や木炭などを用いているためだ。」と本に書いてあったが実際に燃料としているのは倒木して乾燥した木や干ばつした際に出て来た木であるので農村部においては、森林破壊の印象を受けることはなかった。極相林がなく、新たに植えた木も多く森林破壊とはほど遠い印象を受けた。しかし、農村部から少し離れた住宅街の林では木の伐採が進んでおり、新たな木も植えられていなかった。

 ウガンダでは、主食作物としてポショ(トウモロコシ)、マトケ(バナナ)、キャッサバ、かぼちゃ、サツマイモ、じゃがいも、ヤム芋などを栽培している。最近では、日本のJICAが技術協力しているようにニホンイネとアフリカイネを交雑させたネリカが導入された。コメはウガンダ人消費者からの人気が高いらしい。実際に食べて見て、ウガンダのコメは、タイ米よりは劇的に美味しいと感じた。私が行ったMasaka地域周辺では、主にマトケ、キャッサバ、トウモロコシが作られていた。また、コメはビクトリア湖の水を用いて生産するので、比較的ビクトリア湖に近い場所で作られている。

生業

 ウガンダでは、国民の9割近くが農村に居住し、全労働力人口の約7割が農業に従事している。輸出品は、過去には綿花、最近はコーヒーだ。実際、大きなコーヒー農場を持っている家はすごく儲けているらしい。1966年の輸出総額の割合は、コーヒーが52%、綿花が23%だった。第二次世界大戦前では、日本の三大綿花商社が綿花を買っていた。ウガンダのコーヒーは主としてロブスタ種だ。アラビカ種は「ブギスコーヒー」として売り出されている。コーヒーはどこにでも植えられていれ子供達は、コーヒーの豆を木から取って投げつけて遊んでいる。ウガンダでは、コーヒーは主な産業物なので、政府機関として「Uganda Coffee Development Authority」が存在する。

 ウガンダは、バナナの生産量はインドに次ぐ世界二位で生産量は約1000トンだ。バナナは、家の周りに植えてある。そのため、KCV付近ではどこを見てもコーヒーと同様にバナナを見ることだできる。バナナは様々な部分を用いられていることができる。果肉を食べることはもちろんだし、葉はマトケを作る際に包んだり、芋を蒸すときに用いる。また、協会では雨が降っている時に子供の靴を覆うための傘の役割を果たしていた。他には家畜の餌となる。葉軸は、乾燥させてサイザルバックなどに用いることができる。

 私が行った孤児院の近くである商店街があるMakondoでは、小規模なお店が乱立している。どこも同じような商品を同じ値段で売っている。携帯のギガを売っている店は100mおきくらいにあるのでどうやって儲けているのか不思議だ。しかし、お気に入りの店が各々あるらしく、それで固定客で儲けているような様子を見受けられた。しばしばお店は、牢屋のように柵で覆われたまま営業している。盗難防止のためだろうか。お店の人がいなくなることは、しょっちゅうあるのでその可能性が高いと思われる。また、店番は子供がやっているところも多い。

 漁業では、雨季は豊漁だ。魚は、日干しで流通しているのしか見ていない。Masakaのレストランに行った時、flesh fishで煮付けが出されたことから、加工されていない魚のことをfleshで表すと類推できる。また、川魚と呼ばれる小さい魚は、スープでは頻出の1つであった。

暮らし

ウガンダの農村部での小学校、中学校では生徒がとても多い。これは、1997年から実施されているUniversal Primary Education(UPE)政策が大きく関係している。UPE政策では授業料は払わなくて良いのだが、現在は、授業料はタダではない。そのため、学費を払えなくてドロップアウトする子供達もいる。制服やノートはもちろん家庭負担だ。公立の学校でさえも学費を払えずにドロップアウトしてしまう子もいるが、一方で同じ地域で暮らしているのに関わらず首都カンパラの私立の学校に通う子もいる。ウガンダでも経済格差が広がっているのだ。ウガンダでトップの大学であるマケレレは1922年に設立された。1963年までは、ロンドン大学の学位を出していて、教授の多くがイギリス人だった。この名残が残っているためだろうか、外国人の大学教授のほとんどがイギリス人だそうだ。大学だけでなく、病院などでもイギリス人が作った場所なども多いらしい。

 ウガンダでの宗教はほとんどがキリスト教だ。実際、歩いて30分以内の場所に教会が3つある。キリスト教はヨーロッパ各国がアフリカに進出した際と同時に布教が進んだ。

 ガンダ人は一日三食が基本となっている。食事では、主食とスープから構成されるのが基本だ。主食作物は、こめ、ポショ(トウモロコシ)、マトケ(バナナ)、キャッサバ、かぼちゃ、サツマイモ、じゃがいも、ヤム芋などだ。孤児院ではこの順の頻度で食事が出た。また、チャパティなども作る。私は、チャパティをさらに加工させたロレックスが大好きだ。他には、豆の料理とちぎったチャパティを混ぜたチコマンド(kikomando)などがある。

・マトケ→バナナを蒸したもの。マッシュした方が良い派とそのままがいい派に別れる。

・ポショ→トウモロコシを団子状にしたもの(ケニアではウガリ)

・ロレックス→チャパティにローリングエッグしたもの